コーチングの現場で最も重要な技法の一つが「動機づけ面接」です。これは単なる「話を聞くこと」ではなく、相手の内側にある変化への意欲を引き出すための、科学的に裏付けられたコミュニケーションの手法です。
動機づけ面接の定義
動機づけ面接はミラーとロールニックによって提唱されました。その定義は「特に変化の言葉に注意を払った、協力的で目標志向のコミュニケーションスタイル」です。受容と思いやりの雰囲気の中で、その人自身の変化の理由を引き出し、目標への動機とコミットメントを強化することを目的としています。
4つの核心的な精神
動機づけ面接には、次の4つの核心的な精神があります。
1. 協働性(Partnership)
コーチとクライアントは対等なパートナーです。命令・脅し・批判ではなく、クライアントの言葉・視点・自己決定権・強みを尊重した関係が基盤となります。
2. 喚起(Evocation)
変化への動機は、外から与えるものではなく、クライアントの内面から引き出すものです。コーチは問いかけを通じて、クライアント自身が変化の理由を語れるよう促します。
3. チェンジ・トーク(Change Talk)
変化することのポジティブな面を語る会話を「チェンジ・トーク」と言います。コーチはクライアントが変化に必要なリソースをすでに持っていることを信じ、そのリソースを一緒に見つけていく姿勢を大切にします。
4. 思いやり(Compassion)
コーチからは、自然な思いやりが表れている必要があります。思いやりある関係の中でこそ、クライアントは安心して本音や弱みを表現できるようになります。
「協働・受容・喚起・思いやり」——これが動機づけ面接の魂です



